今回新しい展示場に採用した漆喰の生産工場を見学させて頂きました
場所は日本有数の石灰石産地の津久見市徳浦です

会社名は丸京石灰さん 創業は明治28年の老舗です
漆喰の原料は消石灰・海藻ノリ・天然スサ・色粉のみの天然素材

石灰石を窯で熱し生石灰(漆喰の原料)を造る工程を見学
左が津久見の山で採れた石灰石・右は加熱燃料のコークス

一般的に生石灰の生成は電気窯を使用しますが
丸京さんは・・・約115年前から使用している土中窯を使用
その窯がここです 辺りは煙が充満しています
近代的な工場が立ち並ぶ中 唯一の木造小屋がひっそりと・・・

中枢部の土中窯 これが伝統の「豊後塩焼き灰」です
数日間熱した後 仕上げに岩塩を降り掛け より高密度にするそうです

焼き上がった生石灰は窯の下から取り出します 石の色が白色に変化
そして待ち構えているのは窯の棟梁さん
一つ一つ確認し手での丁寧な仕分け作業を行っています

最後に海藻ノリ・天然スサを混ぜ
大分津久見産の天然漆喰「和楽美」(わらび)の完成です

そしてそのまま商品を展示場に持ち帰り 左官職人に塗ってもらいました
きめ細かな柔らかい塗り心地
海藻ノリを混ぜているため 周囲は磯の香りが漂いました

表面は木ゴテの引きづり仕上げのパターン
滑らかな漆喰だからこそできる仕上げ方法です
ただ いつもの漆喰と違うのは・・・磯の香りが消えるまで約5日間
普段とは違い 多くの虫が建物の中に入ってきました・・・
淡く優しい色合いの玄関が完成しました

その後 丸京さんの漆喰(内外壁)を使用された建物を調べました
清水寺(京都)・法隆寺 百済観音像宝蔵院(奈良)・平安神宮・
国立図書館・・など 他重要文化財建築物にも使用
全国に認められた漆喰と初めて知りました とても素晴らしい漆喰です
大分県産の漆喰 もっと広めていきたいです
posted by inouekensetsu at 11:51|
左官工事